医療に関する業界の専門用語等、意味をわかりやすいように解説した用語集・辞典です。内科・小児科等の病院に関する用語について紹介しています。ご自由にお役立て下さい。
片側あるいは両側の耳下腺の腫脹しゅちょう(はれ)を特徴とする急性ウイルス感染症で、通称「おたふくかぜ」と呼ばれています。
感染時期 | 患者さんの年齢は4歳が最も多く、3~6歳で約60%を占めています。おたふくかぜワクチンを接種していると、90%以上の人が発症を免れることができます。 |
感染について | 患者さんからの飛沫(ひまつ)、患者さんとの接触を介して感染します。 |
原因となる病原体 | ムンプスウイルスへの感染が原因です。 |
潜伏期 | 2~3週間 |
症状 | 片側あるいは両側の耳下腺を中心として、顎下腺、舌下腺の腫脹が起こります。圧痛や嚥下痛(えんげつう)を伴うことが多く、通常発熱を伴います。感染しても症状が現れない場合が30~35%あるといわれています。 |
合併症 | 症状が明らかであった患者さんの約10%が無菌性髄膜炎を併発します。また、思春期以降の男性では約20~30%に精巣炎を、女性では約7%で卵巣炎を起こすといわれています。 重要な合併症のひとつとして難聴があり、最近の研究で、頻度は約1000人に1人といわれています。永続的な障害となるので注意が必要です。その他、膵炎や脳炎を合併することもあります。 |
検査方法 | 唾液だえき、尿、髄液からウイルスを分離することが最も直接的ですが、症状が出てから早い時期に検体を採取することが必要である、結果が出るまでに時間を要する、健康保険の適用ではないなどの理由で、一般的には血清学的診断が多く用いられています。 |
治療方法 | 基本的に対症療法であり、合併症を併発した場合は入院して治療することが多くなります。ワクチンを接種して発症そのものを予防しましょう。 |
【予防のポイント】
おたふくかぜワクチン(任意接種・生ワクチン)で予防します。
おたふくかぜはかかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こすことがあるので、ワクチン接種が重要です。
1歳で1回、1回目の接種後2~4年たったら2回目を接種するのがおすすめです。地域によっては公費助成がありますので、お住まいの自治体にお問い合わせください。