医療に関する業界の専門用語等、意味をわかりやすいように解説した用語集・辞典です。内科・小児科等の病院に関する用語について紹介しています。ご自由にお役立て下さい。
頭痛がして心配しておられる場合、多くの方は脳に何か異常がおこったのではないか、脳の悪性の病気、怖い病気にかかったのではないかということを心配されてるようです。頭痛が主な症状となる病気には多くのものがありますが、代表的なものとして、クモ膜下出血をはじめとする脳血管の病気、脳の腫瘍や感染症などがあります。ひどい頭痛がする場合や、頭痛が長く続く場合は一度専門医の診察を受けておくとよいでしょう。特に急におこった頭痛で、これまでに経験のないひどい頭痛の場合はすぐに専門医に受診してください。命にかかわる危険な頭痛の可能性があります。
慢性的に頭痛がある場合や、お薬を使用してもあまりよくならない場合には、脳のCT、MRIや副鼻腔、頸椎のX線検査などを一度は実施してもらっておかれるのがよいでしょう。眼科疾患、歯科・口腔外科疾患、耳鼻科疾患の他、貧血や肝障害、甲状腺疾患など内科の病気が原因で頭痛がおこる場合もあります。
【脳血管障害】
突発性、高血圧の既往、これまでに経験したことがない頭痛
| くも膜下出血（脳動脈瘤破裂） | 突然の激しい頭痛 |
| 小脳出血 | 突発性の頭痛、めまい、嘔吐 |
| その他の脳内出血（皮質下、被殻、視床、橋） | 脳局所の症状を伴う（失語、片麻痺、半盲、高次機能障害、脳幹症状、眼球運動障害、脳神経障害） |
| 頚動脈・椎骨動脈解離性動脈瘤、脳梗塞、一過性脳虚血発作（TIA） | 頭痛は種々のパターンをとる。頭重のみのこともあり 脳底型片頭痛に類似することがある |
| 慢性脳循環不全 | 頭重、鈍痛 |
【頭蓋内占拠性病変】
頭蓋内圧の亢進症状（頭重、頭痛、嘔吐）起床時・目覚めた時に強い頭痛、頭部振盪による頭痛の増強
| 脳腫瘍（グリオーマ、髄膜腫など） | 脳局所兆候 |
| 下垂体腫瘍、鞍上部腫瘍 | 視力障害、視野障害、ホルモン異常、前頭部痛 |
| 慢性硬膜下血腫・水腫 | 意識障害、頭部打撲の既往、脳萎縮の存在、常習飲酒 |
【感染症】
発熱、項部硬直
| 髄膜炎、脳膿瘍 | かぜ症状の先行、心内膜炎の存在、副鼻腔・内耳・中耳・歯周囲に感染巣 |
| ウイルス性脳炎 | 意識障害、錯乱状態、脳局所兆候 |
【眼疾患】
| 緑内障 | 眼痛、眼周囲痛、眼奥痛、嘔気、嘔吐、霧視、視力低下、結膜充血、角膜白濁 |
| 視神経炎 | 視力障害、視野異常 |
| 眼窩内腫瘍 | 眼球突出、眼痛、複視 |
| 眼性疲労 | 近視、乱視など屈折異常、不適切な眼鏡、緊張型頭痛の誘因になりうる。 |
【耳鼻・歯・口腔疾患】
| 内耳・中耳炎・真珠腫 | 耳痛、側頭部から後頭部の頭痛、膿性滲出液 |
| 副鼻腔炎 | 副鼻腔周囲の発赤、圧痛、前頭洞炎では前頭部痛 |
| 顎関節症 | 顎からの放散痛、顎運動に伴う疼痛、顎の可動域減少 |
| 歯周囲炎・齲歯 | 同側の頭痛、顔面痛 |
【頸椎疾患】
| 環椎・軸椎亜脱臼 | 慢性関節リウマチ、脊椎結核の存在、外傷の既往 |
| 頸椎症 | 神経根症状（上肢の運動、感覚障害） |
【その他】
| 側頭動脈炎 | 側頭部痛、側頭動脈の怒脹、視力障害 |
| トロザ-ハント（Tolosa-Hunt）症候群 | 一側眼痛、頭痛、外眼筋麻痺 |
| 褐色細胞腫 | 発汗、動悸、不安、急激な血圧上昇、高血圧脳症 |
| 良性頭蓋内圧亢進症 | ビタミンA、経口避妊薬、肥満女性 |
