こころの病気について専門機関に相談することになったら心療内科と精神科、どう選べばいいのか?それぞれの特徴について紹介します。
心療内科 | 精神科 | |
違い | こころの病気がきっかけとなり体にも症状が現れた場合、その「症状や病気を治療する」ところです。 | 「こころ」の症状や病気を扱う科であり、「こころ」の病気そのものを治療します。 |
症状 |
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受診する側からはどう見分ければよいのか?
こころの症状を診断してほしい場合は「精神科」、
こころの病気がきっかけで体に症状が現れている場合は「心療内科」
を受診するのが適切となります。
また医院(医師)の選び方として、「内科・心療内科・…」となっていれば、本来の心療内科医か、内科医で心療内科を学んだ医師が担当すると考えられます。
「神経科・心療内科・…」となっている場合はまず精神科医が担当と考えられます。
ですので、身体の症状がメインであれば「内科・心療内科・…」を、心の症状がメインならば「神経科・心療内科・…」を受診すればよいでしょう。
上記の症状の他に、身体の動きがおかしい、ふるえる、傾く、力が入らないなど神経の異常が疑われる場合は「神経内科」を、身体の症状と心の症状が同じくらいあり、どちらがメインか区別がつかない場合はいろんな可能性があるので、まずは「内科」を受診して器質的な疾患を除外しましょう。
病院の選択に迷うことも多々あるでしょう。
自分で判断できない場合は、無駄足を運ぶ前に、内科・心療内科・精神科のうちのいずれかにまずは電話で適切かどうか相談することをお勧めします。
心身医学とは、「こころ」と「身体」、その人をとりまく環境等も考慮して、統合的に治療していく医学です。
【日本心身医学会による心身症の定義について】
「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」
「器質的障害」とは、胃炎や気管支炎などの「炎症」や癌をはじめとする「腫瘍」など、物理的(物質的)に異常が生じる障害のことです。これはレントゲンやカメラなどの検査でとらえられることがほとんどです。
「機能的障害」とは、器質的な異常がなく、従ってレントゲンやカメラなどの検査をしても異常が見つからないが、その動きや働き(機能)が障害されているものを言います。例えば、癌や炎症はないけど腸の動きに異常があり、その為に腹痛や便秘・下痢などの症状が出る「過敏性腸症候群」などがそうです。
器質的・機能的障害はどちらも心理・社会的因子が関与することがありますが、「機能的障害」の方が多く見られます。(=心身相関)また、器質的・機能的障害と心理・社会的因子が密接に関与している病態を心身症といいます。
「心理的因子」とは、ストレスや、幼少時の体験や性格、社会的スキルや対処方法に問題がある場合等を指します。「社会的因子」とは、会社での労働環境が劣悪である、家族関係に問題がある、災害のトラウマなどを指しますが、心理的因子とはっきり区別することはできないようです。
ただし、神経症やうつ病などの精神障害でも身体症状が出ることがありますが、それは「精神科」の領域になる為「除外する」となっています。
精神科は精神疾患(心の症状、心の病気)を専門に扱う科です。
心の症状とは、不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などをいいます。
このような症状があれば、たとえ軽症であっても精神科が適当ということになります。うつ病、不安障害、統合失調症などが代表的ですが、神経症や不眠症も入ります。
身体症状を伴う場合もあるが、基本的に精神疾患がメインであれば精神科ということになります。
病名 | 症状 |
うつ病 | 落ち込みや無気力、睡眠不足、集中力低下などの精神的な症状 |
不安障害 (不安神経症) |
【状態不安】 頭痛、発汗、息苦しさ、動悸等の自律神経症状。 【特性不安】 特定の恐怖症=特定の状況、対象に対し不安、恐怖を感じる。 通常は、恐怖刺激に対しては回避します。 社交不安障害=社会において自分の評価が低く見られる不安が強い。 パニック障害=予期しない発作が頻回に起こり、動悸、胸痛、 窒息感、非現実感等がある。 |
統合失調症 | 幻覚や妄想、無為自閉などの精神的な症状 |
脳神経系の疾患を取り扱います。
脳血管障害やパーキンソン病、ニューロパチーなどの神経の病気を扱う科です。
この場合の「神経」というのはいわゆる「神経が太い」とか「神経質」という神経ではなく、実際に筋肉などの組織につながって、信号を伝えたりしている実体のある「神経」のことです。
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