国内での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者は838,432例、死亡者は15,040名となりました。※厚生労働省 令和3年7月18日版より
また、新規陽性者数の増加比は継続して上昇しており、変異株の影響や人の流れが増えたことによる感染拡大が加速しております。
ここでは日々変化していく感染症に応じた感染症の分類と、これまでに起きた感染症パンデミックについて紹介しております。さらに変異ウイルスの特徴や感染パターンも紹介しております。
- 感染症法による感染症の分類
∟ 一類感染症
∟ 二類感染症
∟ 三類感染症
∟ 四類感染症
∟ 五類感染症
∟ 新型インフルエンザ等感染症
∟ 指定感染症と新感染症 - これまでの感染症パンデミック
- 感染を防ぐためには?
∟ 変異ウイルスとその特徴
∟ 明らかにされつつある感染パターン - まとめ
感染症法は、1998年に制定・公布され、1999年4月1日に施行されました。
これまで様々な改定が行われ、2021年2月には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に向けた関連法案の修正が行われました。
感染症の分類は、感染力や罹患した場合の重篤性などに基づいて行われます。
一類感染症は、感染力や罹患した場合の総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症が分類されております。
主な感染症名は以下の通りです。
エボラ出血熱・クリミア-コンゴ出血熱・痘そう・南米出血熱・ペスト・ラッサ熱など
二類感染症は、感染力や罹患した場合の総合的な観点からみた危険性が高い感染症が分類されております。
主な感染症名は以下の通りです。
結核・SARS・MERS・ジフテリア・鳥インフルエンザ(H5N1)・鳥インフルエンザ(H7N9)など
三類感染症は、感染力や罹患した場合の総合的な観点からみた危険性は高くないものの、特定の職業から集団感染を起こしうる感染症が分類されております。
主な感染症名は以下の通りです。
コレラ・赤痢・腸管出血性大腸菌感染症・腸チフス・パラチフスなど
四類感染症は、人から人への感染はほとんどないものの、動物や飲食物などを介して人に感染する可能性がある感染症が分類されております。
主な感染症名は以下の通りです。
A型肝炎・デング熱・黄熱・マラリア・狂犬病・日本脳炎など
五類感染症は、国の感染症発生動向調査の結果に基づき、必要な情報を提供することで発生・拡大を防止すべき感染症が分類されております。
さらにそれぞれの感染症でも新型と再興型に分けられます。
新型は、新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするものを指します。
再興型は、かつて世界的規模で流行したものであり、その後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めたものが再興したものを指します。
新型インフルエンザ等感染症には、新型インフルエンザ等、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)が分類されております。
さらにそれぞれの感染症でも新型と再興型に分けられます。
新型は、新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするものを指します。
再興型は、かつて世界的規模で流行したものであり、その後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めたものが再興したものを指します。
指定感染症は、1年以内の政令で定める期間に限り、当該疾病のまん延により、国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして分類されております。
新感染症は、人から人に伝染すると認められる疾病であり、その伝播力や罹患した場合の重篤度から、危険性が極めて高い感染症が分類されております。
19世紀後半から感染症をもたらす病原体や対処方法は、医療技術の向上や研究から、感染症による死亡者は激減しました。
しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の出現により、再び感染症のパンデミックが引き起こされました。
これまで歴史を変えてしまうほどの感染症パンデミックは以下の通りです。
風邪のもとになるウイルスは200種類以上あり、このうちコロナウイルスは50以上の種類があると言われております。
人に感染するコロナウイルスは6種類と言われており、そのうち4種類は今までに経験してきた普通の風邪に含まれております。
新型コロナウイルスに感染しても重症化しにくい人がいる理由のひとつとして、過去に従来型のコロナウイルス(新型コロナウイルス感染症以外の6種類)に感染していたことが報告されております。
感染歴のある方は、抗体が働くほかT細胞という免疫細胞が過去の感染を記憶しており、新型コロナウイルスに感染しても重症化を防ぐ作用が働いていると言われております。
しかし2020年12月にイギリスで発見された変異ウイルスであるイギリス型や、南アフリカ型、ブラジル型は、ヒトの細胞に結びつきやすいことがわかっております。
イギリス型(アルファ株)
…感染力は36%から75%高く、感染した場合に入院や重症、それに亡くなるリスクが高くなる可能性があります。
南アフリカ型(ベータ株)
…感染力は50%高いと見られており、病院での死亡率は20%高いとする報告があります。
ブラジル型(ガンマ株)
…感染力は高いと見られておりますが、感染した場合の重症度についての影響は限られるようです。
また2021年7月には、感染力が強いと言われるインド型(デルタ株)も確認されております。
コロナウイルスの感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染と手などを介してうつる接触感染、密室などの場合に呼気などに含まれるマイクロ飛沫でも感染することが明らかになってきております。
新型コロナウイルスは、いずれ終息すると考えられておりますが、感染を広げているのは人間であることを認識しておくようにしましょう。
感染を防ぐための最も良い対策は、外出しない・人と接触しないことになります。
2021年7月現在、ワクチン接種が浸透してきておりますが、治療薬が確立されるまでは、咳エチケットや手洗い、換気など今までの感染症対策をもとに行動することが大切です。