2021年4月、厚生労働省はへき地の医療機関への看護師の派遣労働を認める労働者派遣法の政令改正案を了承いたしました。
また2021年4月13日には、ワクチン接種を限定とした看護師派遣も認める方針を決め、へき地以外は原則禁止となっている労働者派遣法に基づく看護師の派遣を、ワクチン接種会場に限り2022年2月末まで特例的に対応できるようにしました。
ここではワクチン接種を限定とした看護師派遣のメリットとデメリットについて説明しております。
厚生労働省は2022年2月末までの期限付きで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19〈コヴィッドナインティーン〉)(※以下 新型コロナ)のワクチン接種に限り、看護師等による看護師業務・診療補助等の業務の派遣労働が認められることになりました。
看護師派遣は、注射を打つ看護師が不足する自治体の要望に応えることとなり、派遣会社から医療現場への看護師派遣が始まっております。
派遣会社から実際に派遣として看護師をした方の派遣看護師のメリットは以下の通りです。
※ 弊社twitterアンケートより
最も多かった時間の融通が利く方の中の意見としては、自由に勤務スタイルが選べるため、子育てと両立しやすいことやダブルワークが可能なことがメリットとして挙げられておりました。
派遣の良さでもあるワークライフバランスが取りやすいと感じる方が多かったようです。
派遣会社から実際に派遣として看護師をした方の派遣看護師のデメリットは以下の通りです。
※ 弊社twitterアンケートより
最も多かった収入面での不安の中の意見としては、派遣先が契約更新をしなければ、それ以降の収入が見込めなくなるため、多くの方がデメリットとして挙げられていたようです。
2012年の労働者派遣法の改正では、病院やクリニックなどの医療機関で行う看護師業務・診療補助等の業務の派遣労働は原則禁止とされておりました。
2021年4月の看護師の派遣労働を認める労働者派遣法では、地域による看護師等の確保が困難であることに加え、現在の新型コロナの影響で医療現場の労働環境が改善されるように配慮されたものであります。
メリットが多いように感じる半面、看護師派遣の拡大は雇用管理の責任の所在が不明確となることや、医療安全上の課題があると指摘されるところもあるようです。
看護師派遣の条件は、へき地の医療機関に限定したものであり、すでに認められている医師と同様に事前研修や派遣先の教育訓練などを行うことが条件とされております。
またワクチン接種を限定とした看護師派遣においては、電話対応とある程度の事務作業スキルがあれば未経験でも可能とされております。
看護師派遣の改正案については、様々な意見が上がっているようです。
人員不足に直面している地域では、看護師不足の解消や看護師の柔軟な働き方につながるなどと歓迎する声がありますが、適切な雇用管理や医療の安全面を考慮すると難しいとの声もあります。
ワクチン接種を限定とした看護師派遣では、比較的難しくはない条件であるため、派遣会社に登録しておくことも考えてみてはいかがでしょうか。