Bacille Calmette-Guerin(カルメット・ゲラン菌)の頭文字を取り、BCGと表記します。
結核は、結核菌という細菌が体内に入り、発症する感染症です。古くは第二次世界大戦のころに、東欧諸国を中心に蔓延しました。これを機に、BCGワクチン接種を積極的に行い、結核用の予防ワクチンとしてBCGが普及するようになりました。
BCGワクチンの予防接種は、平成24年度まで生後6ヵ月までの幼児期に接種することとなっていましたが、平成25年度以降は、生後1歳に至るまでの間に接種することに変更されました。
予防接種時期の変更理由は、髄膜炎などの乳幼児の結核が減少した一方で、BCGによる骨炎の副反応報告が増えてきたからと考えられています。
BCGワクチンは、他のワクチンとは異なり、細菌を殺菌または死菌させるためのものではありません。弱毒性の微生物を体内に定着させることで、微生物が結核菌を撃退するというものです。
この弱毒性の微生物は、効果が半永久的に持続します。
接種時期は、生後1年未満ですが、長期入院や、やむを得ず接種できない理由の場合には、接種できない事情が解消されてから2年を経過するまでであれば、定期接種の対象となります。
BCG弱毒生ワクチンは、予防接種をすることの利点がありますが、稀に副反応が表れることもあります。
軽度の場合 | リンパ節の腫れや局所・全身の皮膚症状や発熱 |
重度の場合 | 骨髄炎や全身性の結核性膿瘍や結核性潰瘍・アナフィラキシーなど |
また、BCGワクチンを接種してから2週間くらい経つと、接種箇所のまわりが化膿して、かさぶたを作ることがあります。この症状は一般的にみられるものであり、接種後の5~6週頃に最も強く見られます。
通常は、接種した場所を清潔に保つことでこれらの症状は治りますが、数ヵ月以上化膿が続く場合や、針の痕が互いに癒合して大きな潰瘍になる場合には、治療が必要な場合がありますので、医療機関に相談して下さい。