TOP > お役立ち情報 > 性感染症内科
タイトル:性感染症内科とは
性感染症内科とは
セックスをはじめとする性行為などによって感染する病気を専門に見る内科です。

性感染症には、性器や口腔などの痛みやかゆみ、排尿時の痛みから、まったく症状が出ないものまで症状はさまざまです。
体に異常がないから、恥ずかしいからなどの理由で治療をしないと、性器などに炎症が慢性化したり、不妊症の原因になったり、母子感染でこどもに感染したりすることがあります。性感染症は、早期に発見して、治療を受けることがとても大切です。
ほとんどの性感染症は早期治療によって完治が期待できます。性感染症の不安がある場合には泌尿器科、婦人科、皮膚科などを受診しましょう。
【性感染症内科を受診した方が良い症状】
性器周辺の痛みやかゆみ、性器周辺の腫れや皮膚の潰瘍、水泡、トゲ、コブ状のできもの、尿道のかゆみや排尿痛、尿道からの膿、喉や口周辺の痛みや腫れ、できもの、陰毛部の激しいかゆみ、分泌物の変化(尿道から膿がでる、おりものの増加・チーズ状・悪臭がする、下着に黒色点状のシミ)、性器周辺・太もものリンパ・肛門周辺・手指・口唇などのしこりや腫れ、発熱、咽頭炎、倦怠感、筋肉痛、嘔気、黄疸などの全身症状

【性感染症内科に関するコンテンツ】
▼性感染症と検査について

各検査や診察によってわかる性感染症には以下のようなものがあります。

視診 性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、カンジダ、疥癬、ケジラミ、軟性下疳、梅毒
血液検査
(抗体検査)
HIV、A型・B型・C型肝炎ウイルス、梅毒
尿検査 淋病感染症、性器クラミジア
分泌物の検査 男性:淋病、性器クラミジア、性器ヘルペス、カンジダ、膣トリコモナス
女性:淋病(女) クラミジア 膣トリコモナス、カンジダ

近年増加している咽頭への性感染症の感染が疑われる場合には、咽頭周辺のぬぐい液の検査を行うこともあります。
感染症の中には潜伏期間が長く、ある程度感染から期間を置かないと検査ができないものや再検査が必要なものもありますが、性感染症は早期発見早期治療が基本です。
感染の不安がある場合には症状がなくても早めに医療機関を受診し、適切な検査時期やパートナーの受診の必要性、現在できる治療等について相談してみましょう。

▼性感染症の種類と症状
性感染症の種類 症状
クラミジア感染症
(潜伏期間2〜3週間)
【男性】尿道にかゆみや熱っぽさを感じる。排尿時の痛み。放置すると頻尿・排尿困難・出血などの症状、不妊の原因ともなる。
【女性】おりものの増加や下腹部の痛み。きわめて症状が軽く、進行すると子宮・卵管の炎症が進み、不妊の原因となることもある。
淋菌感染症
(潜伏期間2〜5日間)
【男性】 排尿時に強い痛み。次第に濃くクリーム状の膿がでる。
【女性】軽い排尿痛、頻尿で症状が軽く気付かないほうが多い。放置すると不妊の原因ともなる。悪臭のある、緑白色や黄色のおりもの、下腹部の痛み、発熱など。
性器ヘルペス
(潜伏期間3〜7日間)
感染した部分に米粒程度の水泡ができる。水泡や潰瘍性の病変をつくり、かなりの痛みを伴う。2〜4週間で症状は消える。ヘルペスウイルスはいったん感染すると神経に潜伏し、再発することがある。
尖圭コンジローマ
(潜伏期間3〜4ヵ月)
自覚症状はほとんどなく、性器周辺などにイボ状の小腫瘍ができる。尖圭コンジローマの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)は長い期間を経て子宮頸がんや陰茎がんになる可能性があることが近年注目されている。
梅毒
(潜伏期間約3週間)
性器、肛門、口などに小豆大くらいの痛みの無い赤いしこりができる。 放置すると感染3年後くらいには心臓や血管、脳などに障害が出て、日常生活が営めなくなってしまう。また、妊婦は母子感染を起こす可能性があり、死産・早産などなんらかの異常を伴う。
毛ジラミ
(潜伏期間1〜30日間)
毛ジラミは陰毛に生息し、毛根部に寄生する。その付近を1日数回吸血するため、痒みや陰部に点状の発疹、下着に毛ジラミの砂鉄状の排泄物の茶色シミが点在する。
HIV感染症(エイズ)
(潜伏期間平均10年)
感染して6〜8週間後、インフルエンザのような症状が出現する。体の免疫力が低下しているため、普段感染しないような病気になってしまう(例えば帯状疱疹など)こともある。検査をしないとわからないため、発症までの10年間に他人に感染させる可能性が高い。
淋病
(潜伏期間〜1週間)
初感染では、発熱、咽頭炎、発疹、筋肉痛・関節痛などがみられ、さらに下痢、頭痛、吐き気、嘔吐、体重減少、神経症状などが認められます。以上の様な症状が見られる場合は早めの検査をお勧めします。
カンジダ膣炎
(潜伏期間2〜7日間)
カンジダ菌に感染してると、外陰部や膣の痒み、ヨーグルト状のおりもの、性器の炎症・性交痛・排尿障害が生じます。
雑菌性尿道炎
(潜伏期間1〜3週間)
汚れた手のまま性器に触れると、傷口から雑菌が体内に入って発症します。男性は排尿時に痛みをともないます。女性の場合は、自覚症状が出ることはほとんどありません。
ヒト・パピローマ・ウイルス
(潜伏期間〜数ヵ月)
女性のほとんどが一度は感染するといわれているウイルスです。性交渉によって感染します。ほとんどの場合は免疫力によって消滅しますが、まれに消滅せずに残ってしまうケースがあります。放置すると良性の場合「尖圭コンジローム」の原因となり、悪性の場合「子宮頸癌」の原因となります。
トリコモナス
(潜伏期間1〜数週間)
トリコモナス原虫の感染によって発症する性感染症です。女性の場合、外陰部のかゆみや、おりものが増えたりします。男性の場合は排尿時に軽い痛みをともないますが、感染に気づかない場合がほとんどです。軟膏の塗布や内服薬によって治療します。
B型肝炎
(潜伏期間1〜3ヵ月)
B型肝炎ウイルスの感染によって発症します。ワクチンによって予防できる性感染症です。初期は体がだるく、吐き気や頭痛、尿の色が濃くなるなどの症状が出ます。進行すると全身に黄疸がでてきて、この場合には入院が必要です。
HTLV-1
(潜伏期間:数年以上)
成人T細胞白血病の原因となるウイルスです。性行為による感染や母乳を介しての感染が多く見られます。感染しても、多くの場合、健康保菌者(キャリアー)になるだけで、発病することはありません。しかし、一部の人は発病し、半年から2年ほどで死に至ります。