遠隔診療とも呼ばれるオンライン診療は、厚生労働省も容認しており、平成17年に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を公表し、改正を積み重ねてきました。
また、「医師の働き方改革に関する検討会」では、医師の働き方の改善に関する検討が行われており、ICTを活用した勤務環境改善が必要との意見も示されています。
厚生労働省は、こうしたことも踏まえ、オンライン診療が一層進んでいくと考えており、以下のように述べております。
” オンライン診療に関して、最低限遵守する事項及び推奨される事項並びにその考え方を示し、安全性・必要性・有効性の観点から、医師、患者及び関係者が安心できる適切なオンライン診療の普及を推進していく ”
今後のオンライン診療の普及、技術革新等の状況を踏まえ、定期的に内容を見直すことも予定しています。
オンライン診療は、これからの医療において欠かせない存在となりそうですが、IT(情報技術)やICT(情報伝達技術)のように高度な技術の導入が欠かせません。
また、これらを生かせる環境や安全性・必要性・有効性の観点を見ても、まだまだ問題は山積みされているようです。
2018年4月からスタートしたオンライン診療制度ですが、新たに「オンライン診療料」が新設されました。
この診療科は、患者が3割、医療保険で7割負担する診療報酬のことです。
1回の診療料金は、700円と決められており、オンライン診療を行った医師の収入となります。
このうちの3割である210円が患者負担になります。
またオンライン診療には以下のルールがあります。
【新薬開発の過程と期間】
対面診療を行ってからでないとオンライン診療を行えない(症状により初診から行えるところもあります) |
同じ医師が行わなければならない |
オンライン診療を連続して受けられるのは2か月まで |
生活習慣病やパーキンソン病などの特定疾患のみが対象 |
医師が対面診療とオンライン診療を組み合わせた療養計画を作成しなければならない |
実際の診療については、医師が患者から必要な情報の提供を求めたり、患者が医師の治療方針へ合意したりする際に、相互の信頼が必要です。
実際にオンライン診療を受けるには、対面診療から入らなければなりませんし、そもそもオンライン診療が全ての医療機関で取りいれられているわけではありません。
オンライン診療を受ける前に医師と相談し、受けることができるかどうかを話し合う必要があります。
◇メリット
オンライン診療によるメリットには、以下のようなものがあります。
◇デメリット
オンライン診療によるデメリットには、以下のようなものがあります。
オンライン診療においては、医師・患者ともにそれぞれのメリットデメリットを把握しておくことが大切です。
現在も離島などの状況下で通院が困難な方も多くいる中、オンライン診療は必要とされる診療だと思います。
お互いの信頼関係が基本となるオンライン診療は、まだまだ改善しなければならない課題が多く残されています。
患者側は、オンライン診療には医師に伝達できる情報等に限界があることを理解しなければなりません。
医師側は、情報が伝わらない等でオンライン診療の実施の中止を決めなければならない場合もあります。
医療の安全を確保し、互いに継続的に協議していくことが望ましいといえます。