お医者さんも受ける胃内視鏡検査でわかることとは？

内科に属するお医者さんの多くは、胃内視鏡検査を受けると言います。
胃内視鏡検査を受ける、あるいは受けた方が良いと言われる理由は、胃内視鏡の検査精度が高い点と、所要時間が比較的短くできるからです。
胃内視鏡検査とはどのようなものなのか、検査でわかることを説明していきます。

胃内視鏡は、先端にCCD（ビデオカメラ）が装填されており、自由に曲げられる柔らかい管（ファイバー）により、臓器内部を直接見ることができる道具です。

他にも、食道や大腸など観察する場所により内視鏡の種類があり、管の太さもそれぞれ異なります。

胃内視鏡検査は、内視鏡を口（もしくは鼻）から入れて、胃まで管を挿入していきます。
内視鏡の先端からは、光を出すことできるため、内部をより鮮明に観察することができます。
そのため、胃内視鏡検査はX線検査に比べて、ごく僅かな腫瘍の変化も捉えることができます。

また、がんなどの病気が見つかった場合には、粘膜の一部を小さく採取して、顕微鏡で良性か悪性かを調べることもできます。
さらに他の精密検査に比べて、比較的所要時間が短くて済むことも特徴のひとつです。

検査費用は、初診料や前処置薬剤費なども合わせると、5,000円程必要となります。
病気が見つかり、顕微鏡検査のため切除することになると、費用は負担の割合や薬剤などで異なりますが、10,000円程の追加費用が必要になります。

胃内視鏡検査は、口（もしくは鼻）から食道、胃までを診断できるため、胃から上部にあたる消化管を検査する上部消化管内視鏡検査と言われることが一般的です。 以下の表は、胃内視鏡検査において見つけることができる病気の一例になります。

胃（食道と腸の間にある消化器官）
胃炎	胃粘膜の炎症
胃潰瘍	胃壁が傷ついている状態
胃がん（早期がん含む）	胃壁の内側の粘膜に発生する悪性腫瘍
ポリープ	胃粘膜の表面の組織に突出した病変
ピロリ菌	胃の粘膜に生息する細菌
粘膜下腫瘍	胃粘膜層よりも深い胃壁内に発生した腫瘍

食道（咽頭と胃を結ぶ筒状の臓器）
食道炎	食道粘膜の炎症
食道潰瘍	食道粘膜が傷ついている状態
食道がん（早期がん含む）	下咽頭から胃までの粘膜に発生する悪性腫瘍
ポリープ	食道粘膜の表面の組織に突出した病変
食道裂孔ヘルニア	胃の一部が食道裂孔から胸部に突出した状態
粘膜下腫瘍	食道粘膜下に発生した腫瘍

十二指腸（胃と小腸をつなぐ消化管）
十二指腸炎	十二指腸の粘膜がただれて傷ついた状態
十二指腸潰瘍	十二指腸の入り口にある壁が傷つく病気
十二指腸がん（早期がん含む）	十二指腸の内壁に発生する悪性腫瘍
ポリープ	十二指腸の粘膜の一部が突出した病変
ピロリ菌	十二指腸潰瘍を引き起こす細菌
粘膜下腫瘍	十二指腸の粘膜層よりも深い消化管壁内に発生した腫瘍