バイタルサイン(vital sign)の意味は、生命の兆候と訳されます。日本の医療従事者の間では、バイタルと略すこともあります。
バイタルサインは、人間が生きている状態であるという指標であり、その兆候には次のようなものがあります。
・脈拍(心拍)・血圧・呼吸・体温
一般的には上記の4つを指しますが、救急医療現場や集中治療室などでは、さらに排尿と意識レベルの2つを追加したものをバイタルと呼ぶ場合があります。
バイタルサインの基準値(正常値)は、年齢や性別、季節や環境など個人差があるため、普段から自分が平常時の数値を把握しておき変化がないかを見極めることが大切です。
一般的なバイタルサインの基準値(正常値)は下記の通りです。
バイタルサイン | 基準値(正常値) |
脈拍(心拍) | 60~80回 / 分 |
血圧 | 130mmHg未満(収縮期) / 85mmHg未満(拡張期) |
呼吸 | 呼吸回数 12~20回 / 分 |
体温 | 36~37℃ |
排尿 | 1回排泄量:約200~400mL 1日総量:約1,000~2,000mL |
意識レベル | 意識清明(JCS=0、GCS=15) |
※数値は成人を対象にしたもの
意識レベルのJCSとGCSですが、JCSは意識レベルを9段階で表したもので、GCSは点数をスコア化したものです。
それぞれの詳細は下記の通りです。
Ⅰ.刺激しないでも覚醒している状態(1桁の点数で表現) | |
1 | 意識清明とは言えない |
2 | 見当識障害がある |
3 | 自分の名前、生年月日が言えない |
Ⅱ.刺激すると覚醒する状態(2桁の点数で表現) | |
10 | 普通の呼びかけで容易に開眼する |
20 | 大きな声または体を揺さぶることにより開眼する |
30 | 痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する |
Ⅲ.刺激をしても覚醒しない状態(3桁の点数で表現) | |
100 | 痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする |
200 | 痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる |
300 | 痛み刺激に全く反応しない |
注 R:不穏 I:失禁 A:自発性喪失
E:開眼 | |
なし | 1 |
痛み刺激により開眼 | 2 |
呼びかけにより開眼 | 3 |
自発的に開眼 | 4 |
V:最良言語反応 | |
なし | 1 |
理解不明の音声 | 2 |
不適当な発語 | 3 |
混乱した会話 | 4 |
見当識あり | 5 |
M:最良運動反応 | |
なし | 1 |
伸展反応(除脳姿勢) | 2 |
異常な屈曲運動 | 3 |
逃避反応として | 4 |
疼痛部へ | 5 |
命令に応じて可 | 6 |
※正常ではE、V、Mの合計が15点、深昏睡では3点となります。
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