手や指についたウイルスの対策は手洗いが最も重要ですが、手洗いがすぐにできない状況ではアルコール消毒液も有効と言われております。
コロナウイルスの脅威がなくなりつつあるため、高濃度のアルコールで代替することはほとんどありませんが、除菌効果による消毒は現在でも有効です。
高濃度アルコール |
アルコールの濃度が高いアルコール物質のこと |
日本の薬機法(やっきほう)において、アルコールは飲料用と消毒用に分かれております。ウイルスの不活化や病原菌の殺菌に使われるアルコールは、エタノールやイソプロピルアルコール(IPA)など、人体への毒性が低いものの飲料用として飲むことはできません。
飲料用のアルコールはエチルアルコールを主成分としており、消毒用アルコールとは異なります。
アルコール濃度の高いお酒は、気化しやすく引火性も強いため、アルコール消毒としての使用は控えるようにしましょう。
市販されている除菌用エタノールは、アルコール消毒液同様に手指に30秒ほど成分を染み込ませることで99.999%の除菌効果が得られると言われております。ただし濃度が高い場合、個人差はありますが皮膚に発疹やかゆみ、腫れなどの症状があらわれることがあるため、使用には十分注意が必要です。
コロナ禍から脱した現在では、市販のアルコール消毒液の供給態勢は整っているため、代替えを使うことは少ないと言えます。しかし万が一の準備としては、次亜塩素酸水がお勧めです。
次亜塩素酸水(有効塩素濃度 10~80ppm)は、各種の病原細菌やウイルスに対して高い殺菌活性や不活化活性を示すと言われております。
これはコロナウイルスだけでなく、インフルエンザウイルスに対しても有効性を示すと言われております。
また次亜塩素酸水は、人体に対しても環境に対しても安全性が高く、広範な細菌やウイルスに有効性を持つと言われており、既に病院やクリニック、歯医者などで使用され、器具の殺菌にも使われております。
北里大学の研究チームの報告によると、エタノールや手指用消毒液、台所用洗剤やハンドソープなど22製品でコロナウイルスに対する効果を調べた結果、22製品中21製品で効果があったことが明らかにされました。
アルコール消毒液の代替えとしては、次亜塩素水や界面活性剤が望ましいと考えられており、ウイルス感染症にも一定の効果があると言われております。