「インフルエンザ」は、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。
流行時期 | インフルエンザウイルスには強力な感染力があり、いったん流行すると、年齢や性別を問わず、多くの人に短期間で感染が広がります。 日本では毎年11月〜4月に流行が見られます。 |
潜伏期間 | 1〜5日 |
感染経路 | おもに飛沫感染 飛沫とは、くしゃみや咳(せき)などで唾液や鼻水が小さな水滴となって飛び散ること。 |
症状 | 急激に38℃以上の高熱が出る。 筋肉痛、悪寒、頭痛、関節痛、倦怠感などの全身症状、咳、痰(たん)、 呼吸困難、腹痛、下痢などの胃腸症状 など。健康な人であれば、その症状が3〜7日間続いた後、治癒に向かいます。 |
療養期間 | 一週間程度 |
合併症 | 気管支炎や肺炎を併発しやすく、脳炎や心不全になる場合がある。 |
治療法 |
発熱や関節痛などに対しては解熱鎮痛薬、鼻水やくしゃみに抗ヒスタミン薬などが用いられます。一方、インフルエンザの症状はインフルエンザウイルスに対して免疫が正常に働いている結果であり、薬で無理に抑えないほうがよいという考え方もあります。市販の薬を自己判断で使用することは、かえって逆効果になる場合があるので、医師の指示に従いましょう。 ※解熱剤については、使用しない方がよいものもあります。 【抗ウイルス療法】 インフルエンザウイルスに対する治療薬として、塩酸アマンタジンとノイラミニダーゼ阻害薬があります。塩酸アマンタジンはA型インフルエンザウイルスに有効で耐性が起こりやすいのですが、ノイラミニダーゼ阻害薬はA型、B型どちらのインフルエンザウイルスにも有効です。但し、これらの抗ウイルス薬は発病後 48時間以内に服用しないと効果がありません。 また、現在日本ではノイラミニダーゼ阻害薬のリン酸オセルタミビルと塩酸アマンタジンを予防薬として使用することができますが、13歳以上に限るという制限など、いくつかの条件があります。 |
上記の特徴と、以下の3つが揃った場合、インフルエンザの可能性がかなり高いでしょう。
1、周囲でインフルエンザが流行している
2、急激な発症(前触れなく突然発症する)
3、38℃以上の高熱、悪寒
【インフルエンザの種類】
ヒトに感染するインフルエンザウイルスには、A型・B型・C型の3つがあります。
A型は症状が重篤になる傾向があり、死に至ることもあります。また感染力が強いため、大流行(パンデミック)を起こしやすく、過去には香港かぜやスペインかぜなどの世界的な流行で多くの死者を出しました。
2009年に世界中で流行したいわゆる「新型インフルエンザ」は、A型、H1N1亜型というものでした。
B型は、A型よりも症状が比較的軽く、限られた地域で流行するケースが見られます。
C型は鼻かぜ程度の軽い症状ですむことが多いウイルスです。
【インフルエンザの予防方法】
インフルエンザの予防に効果が期待できるのがワクチンの接種です。流行シーズンを迎える前の11月ごろの接種が良いようです。
インフルエンザワクチンは、13歳未満は原則として、2〜4週間の間隔をおいて2回接種します。13歳〜64歳は1回または2回かは医師と相談して決めてください。
65歳以上の高齢者や過去にインフルエンザにかかったことがある人なら、1回の予防接種でも十分な免疫力が得られるといわれています。
効果が現われるのはおよそ2週間後からで、その後約5カ月間持続するといわれています。
費用は、自己負担で、1回/約3000〜5000円程度です。
65歳未満の健常者では70〜90%の発病予防効果があり、合併症の併発や高齢者の死亡を減らす効果があることが知られています。
行政もワクチンの接種を推奨しています。65歳以上の高齢者とともに、60〜64歳で心臓や呼吸器系、腎臓などの基礎疾患を持つ人をワクチン定期接種の対象と、法令により定めています。市町村による費用補助の対象になっている場合もあります。