▼ 喘息(ぜんそく)とは?
喘息は慢性の気道炎症による呼吸器疾患で、呼吸困難・喘鳴・咳など発作性のある症状が出ます。
喘息発作時にはこれらの症状が激しく発現されるため、体力が激しく消耗して時には死に至ることもあります。
また喘息は感染症ではないため、人にうつることはありませんが、細菌やウイルスに感染している場合は注意が必要です。
喘息の原因は以下のように分けることができます。
個体因子 |
遺伝・アレルギー素因・気道過敏症 ※1・性差 ※2 など |
※1 気道過敏症…気管支が敏感であり少しの刺激で発作になりやすい状態
※2 性差…性別的な差異
環境因子 |
発病因子(症状が発現する要因) |
アレルゲン・大気汚染・喫煙・感染症・気候の変化・薬物・肥満など |
憎悪因子(症状が悪化する要因) |
アレルゲン・大気汚染・喫煙・感染症の悪化・過度な運動・激しい感情表現やストレス・薬物など |
アレルゲンには食品や食物の原料からペットなど喘息の原因となるケースはひとつとは限りません。
また室内環境による原因として、ハウスダストやダニなどもアレルゲンに分類されます。
▼ 喘息の治療方法
喘息の病態は明らかにされていない部分も多いため、完治が難しい病気(一時的または継続的に軽減した状態でもいずれ再発する可能性がある病気)です。
治療の基本は吸入ステロイド薬による症状コントロールです。
吸入ステロイド薬は気道に対して直接作用するため、これを継続して使用していきます。
さらに、それぞれの部位に合う専用の体温計もありますので、注意が必要です。
吸入ステロイド薬は全身的な副作用はほとんど見られませんが、度々声がかすれることがあります。
また重症の喘息患者には、2015年に気管支鏡 ※3 を用いた気管支サーモプラスティ治療が保険適用となった治療方法です。
治療前よりも吸入ステロイド薬を減らすことは期待できますが、基本となる薬物治療は継続して行う必要があります。
喘息を予防するには憎悪因子となる要因から遠ざけることが大切です。
さらに継続して治療に取り組む必要があるため、日頃から開業医やクリニックといった地域の医療機関と連携を図るようにしましょう。
※3 気管支鏡…気管支を観察するための小型カメラ