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医療に関する専門用語を解説した用語辞典です。

間質性肺炎

「肺炎」とは、一般的に気管支や肺胞(気管支の先端にあるブドウの房のような小さな袋)の炎症のことを言い、細菌やウイルスなどによる感染が主な原因です。しかし、間質性肺炎の場合は、通常の肺炎とは症状が異なります。

【間質性肺炎とは】
肺は「肺胞」と呼ばれる、直径0.1〜0.2mmの小さな袋がブドウの房のようにたくさん集まってできています。肺胞が伸縮して酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)を行い、呼吸をしています。この肺胞の中に炎症が起きるのが一般的にいわれる肺炎ですが、「間質性肺炎」とは、肺胞の壁や周辺に炎症が起こった状態を言います。炎症によって壁が厚くなり、肺全体が固くなります。その結果、肺の膨らみが悪くなり、ガス交換がしにくくなります。

【間質性肺炎の症状】
呼吸困難(息切れ)や咳嗽(せき)が主な症状です。咳は多くの場合、痰を伴わない、乾いた咳(乾性咳嗽)が出ます。息切れは最初は階段や坂道を昇った時に感じる程度ですが、進行すると呼吸不全の状態となり、着替えなどの動作でも息切れが出て、日常生活が困難になることもあります。症状の進むスピードは間質性肺炎の種類によります。特殊な病型を除いて、息切れや咳などの症状が出はじめて、日常生活に支障を来たすようになるまで数年程度かかります。

【間質性肺炎の原因】

じん肺 空気中に浮遊する微粒子(粉じん)の吸入によるもの
過敏性肺炎 ほこりやカビ、ペットの体毛などをくりかえし吸い込んだことによるアレルギー性のもの
薬剤性肺炎 抗がん剤や解熱消炎鎮痛薬、総合感冒薬(かぜ薬)などの薬剤によるもの
放射線肺炎 放射線を照射することによって起こるもの
感染症 インフルエンザやマイコプラズマなどの細菌やウイルスによる急性(一時的な炎症)のもの
膠原(こうげん)病にともなうもの 関節リウマチ、強皮症、皮膚筋炎、多発筋炎、シェーグレン症候群など また、原因が分からないものは「特発性間質性肺炎」と呼ばれ、難病の特定疾患に指定されています。