高血圧が長期間続くと、腎臓の血管に動脈硬化が起こります。このため、血管の内腔が狭くなり、腎臓へ流れる血液量が減ってしまうので、腎臓そのものが硬くなり機能も低下します。これが腎硬化症です。
また、病気の進行が遅い良性腎硬化症と、急速に症状が悪化する悪性腎硬化症の2つがあります。
【良性腎硬化症の症状】
本態性高血圧の40歳以上の人に多く、年齢とともに高血圧が進行し、同時に腎機能が低下していきます。原因としては、軽度〜中等度の本態性高血圧により、長期間の経過で腎機能の低下が進行していきます。
自覚症状として、肩こり、動悸、めまい、頭痛等を訴えることが多く、また眼底の異常や強度のタンパク尿、心臓障害がみられることもあります。
【良性腎硬化症の症状】
「悪性腎硬化症」は30〜40歳の比較的若い層に多く、この病気の経過は急速で、適切な治療を受けない場合は急激に進行し、1〜2年以内に尿毒症にまで進み、心不全や脳出血で死亡することもあります。まだ確定的なことはわかっていませんが、原因として、たんに高血圧が続くこと以外に、たとえば血圧を上昇させるホルモン(レニン)なども悪さしているようです。また、遺伝的要素も関係していると考えられています。
症状は、激しい頭痛、視力障害、心機能異常、血尿などの症状が認められ、激しい頭痛を初発症状とすることも多くみられます。