肥満とは、脂肪組織が過剰に蓄積された状態です。また、BMI(体格指数)25を超えると合併症の発症頻度が高くなります。 しかし、個々の例では高血圧や代謝異常が必ずしも肥満の程度と相関するわけではなく、肥満といっても病的なものとそうでないものがあり、臨床上これを分けて考えることが重要となってきます。 そのため、単なる「肥満」という呼び方とは区別して、医学的にみて減量治療の必要な肥満を「肥満症」と診断しています。
肥満症とは、「肥満に起因し健康障害を合併するか、臨床的にその合併症が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態」と定義づけられています。
研究によって、「肥満者の合併症の発症は、体格指数(BMI)よりも体脂肪の分布の仕方により強い関連性がある」ことが明らかになっています。
肥満症は、身体のどの部位に脂肪が蓄積しているかによって、内臓の周囲に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満と、お腹の皮下に脂肪がたまる皮下脂肪型肥満に分類されます。
内臓脂肪型肥満は、主としてお腹から上に脂肪のたまる上半身肥満で、その体型の特徴から「りんご型肥満」とも呼ばれ男性に多い肥満です。
一方、皮下脂肪型肥満は、お腹から下半身にかけて脂肪のたまる下半身肥満で、その体型の特徴から「洋なし型肥満」とも呼ばれ女性に多い肥満です。
この分類で合併症を発症しやすいのは、内臓脂肪型肥満の方だといわれています。