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医療に関する専門用語を解説した用語辞典です。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

NAFLDとは飲酒歴のない人に起こる一連の脂肪性肝疾患群です。
それには単純な脂肪肝や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、それから進展する肝硬変、肝細胞がんが全てが含まれます。NAFLDは肥満、糖尿病、脂質代謝異常などインシュリン抵抗性を基盤とする疾患です。
アルコールを常飲していない人にも肝細胞に脂肪が溜まる脂肪肝が最近増加しています。脂肪肝があるとき腸内細菌が放出する内毒素(エンドトキシン)が門脈を介して大量に肝臓内へ流入すると、クッパー細胞は活性化して種々の化学物質を放出します。それによって脂肪肝に炎症が起こり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)になります。
NASHが継続すると慢性C型肝炎の場合と同様に肝星細胞が活性化し、過剰の線維を産生するので、肝硬変へ進展します。そうなると肝細胞がん発生のリスクが増してきます。最近のヨーロッパでは、人口の20〜30%が脂肪肝で、その1〜2%が15〜20年後に肝硬変へ移行するリスクを持っていると言われています。