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医療に関する専門用語を解説した用語辞典です。

大腸がん

大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。
大腸粘膜の細胞から発生し腺腫(せんしゅ)という良性のポリープの一部ががん化して発生したものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。粘膜の表面から発生したあと、大腸の壁に次第に深く侵入していき、進行するにつれてリンパ節用語集アイコンや肝臓、肺など別の臓器に転移用語集アイコンします。

大腸がんの原因

 大腸がんの発生原因はまだわかっていませんが、疫学を中心とした研究から、大腸がんの発生は欧米食の特徴である高脂肪、高蛋白かつ低繊維成分の食事と正の相関関係にあり、生活様式が強く関係していることが明らかになっています。また、大腸がんは腺腫せんしゅ(一般的な大腸ポリープ)からがんが発生するものと、腺腫を介さず直接粘膜からがんが発生するものが考えられています。
 遺伝子学的解析では、多くの遺伝子の異常の蓄積によりがんが発生することがわかっています。まずAPC遺伝子の変異により腺腫が形成され、ついでK‐ras遺伝子の突然変異により腺腫が大きくなり異型度(細胞の悪性度)が増します。それにがん抑制遺伝子のp53遺伝子とDCC遺伝子の変異が加わって、がんへ進むとされています。
 また、遺伝的要因の明らかなものには家族性大腸腺腫症かぞくせいだいちょうせんしゅしょう(家族性大腸ポリポーシス)と遺伝性非ポリポーシス大腸がんがあります。

大腸がんの症状

【排便の変化】

  • 血便(血液が混じった便)が出る
  • 下血(げけつ:肛門からの出血)が起きる
  • 便が細くなる
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 便が残っている感じがする

【お腹の変化】

  • お腹が張っていると感じる
  • 腹痛が起きる
  • お腹にしこりがある

【そのほかの変化】

  • 貧血が起きる
  • 嘔吐(おうと)する
  • 急に体重が落ちている