急性扁桃炎の約30%はA群溶連菌が原因です。
A群溶連菌感染症は、小児特有ではなく、成人でも頻度が高い感染症です。
しかし、検査しないと診断がつかないため、重い合併症を続発してから判明する例も増えています。
A群溶連菌は、主に飛沫感染で広がりますが、食品中でも増殖し、集団感染も見られます。接触感染により膿痂疹(とびひ)も生じます。
感染力が強く、80種類以上もあるため、繰り返し罹ります。
感染時期 | 年間を通して発生がありますが、特に3・6・12月に流行します。 |
症状 | 1〜7日の潜伏期間の後、発熱し、咽頭が真っ赤に腫れて痛み、扁桃が化膿し、頸部リンパ節が腫れます。猩紅熱の症状(赤い発疹・苺舌・膜様落屑)を伴うこともあります。 |
合併症 | 発病から約1〜4週間後に、リウマチ熱(発熱・関節炎・心炎など)または急性糸球体腎炎(血尿・蛋白尿・浮腫など)を続発する可能性があります。 |
診断 | 症状が軽く普通感冒と紛らわしい場合や、症状が類似する他の感染症も多いため、症状のみでは診断できません。治療開始に先立ち、必ず、迅速検査や細菌培養検査を行い、A群溶連菌を確認して、診断が確定されます。 |
治療 | 合併症を防ぐため、通常、ペニシリン系抗生剤を10日間しっかり服用します。約1ヵ月間は、合併症のチェックのため、尿検査を含めた診察が必要です。 合併症がないことが確認できるまでは、予防接種は受けられません。 なお、家族内感染も多いため、症状がある家族は受診が必要です。 |