人にとって薬とは、病気や症状を治療するために必要なものであり、予防することにも用いられるもので、私たちの身体の状態を正常に保つため、日常お世話になっているものです。薬は内服や外用、注射や吸入などの方法で投与されます。
ここでは内服薬(飲み薬)について種類や効果、疑問などを説明しています。
▼ 飲み薬の形状について
薬とは?
薬とは、患者が抱える病気や症状に応じて予防や治療を目的とした薬品のことです。
薬は患者が抱える病気や症状に応じて、医師の処方により症状を和らげたり、病気を治療したり、予防したりすることができます。
薬と言っても生薬のように自然由来のものだけでなく、有機合成反応によって作られた化合物もあるため、薬の副作用が現れることもあります。
飲み薬の形状
飲み薬には様々な形のものがあります。飲み薬だけでも錠剤(タブレット)・カプセル剤・散剤(顆粒剤)・液体薬・グミやチュアブルなどがあります。
薬は作用してほしいところで作用するように作られているため、用法用量は守る必要があります。
飲み薬の形状と特徴は下記の通りです。
錠剤 |
薬剤は平らな形状をした固形であり、一般的に水や他の液体で飲み込みます。多くの錠剤は一定の用量が含まれており、割れ目がある場合は必要な量に合わせて割ることができます。 唾液だけで服用できる口腔内崩壊錠(OD錠)は新しい剤形として普及しつつあります。 |
カプセル剤 |
液体や固形の薬剤をカプセル状の形をしたものに入れて服用します。カプセルの原料はゼラチンが使用されることが一般的ですが、植物性の繊維やデンプンなどを使用したカプセルもあります。 |
散剤 |
薬剤が粉末状になっており一般的に水や飲み物に溶かして飲みます。一定の量を計量して使用しますが、一度に飲めなかったり むせてしまったりして、うまく飲めない場合にはオブラートで包むこともできます。 |
液体薬 |
薬剤は液体状のため、スプーンやカップなどで計量して摂取します。子どもや高齢者などの嚥下困難な患者に使用されることが多いです。 シロップ剤は内服液剤に糖類や甘味料を加えて飲みやすくしたものになります。 |
その他 |
グミやチュアブル(噛んで飲むタイプ)のような飲み薬もあります。服薬用のゼリーなどもあり、苦みなどの味や臭いを感じさせないような工夫がされております。 |
▼ 一般的な飲み薬の種類
解熱鎮痛薬
解熱鎮痛薬とは、頭痛や発熱の緩和に使用される薬物のことです。主に発熱や痛みを和らげるために使用されます。
解熱鎮痛薬には、アセトアミノフェン(パラセタモール)、イブプロフェン、アスピリンなどがあります。
また非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)として知られる薬剤や、鎮痛作用のある薬剤が含まれていることもあります。
抗生物質
抗生物質とは、感染症を治療するために使用される薬物のことです。主に細菌やマイコプラズマ、クラミジアなどの病原微生物の感染が考えられるときに使用されます。
また例外として、特別な基礎疾患があり予防的に抗生剤を投与する場合もあります。
抗生物質には、ペニシリン、セフェム系、マクロライド系などがあります。
抗アレルギー薬
抗アレルギー薬とは、アレルギー症状を緩和するために使用される薬物のことです。アレルギー性鼻炎やじんましんなどの治療に使用されるものがあります。
似た薬に抗ヒスタミン薬がありますが、抗アレルギー薬に比べて速効力があります。ただし副作用として眠気が強くなります。
高血圧薬
高血圧薬とは、高血圧を治療するために使用される薬物のことです。降圧剤によって利尿を促したり、血管の収縮を防いだりすることで血圧が下がります。
また例外として、特別な基礎疾患があり予防的に抗生剤を投与する場合もあります。
高血圧薬には、降圧作用のある利尿薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬などがあります。
糖尿病薬
糖尿病薬とは、糖尿病の治療に使用される薬物のことです。血糖値を下げるには最も適しておりますが、長年服用すると膵臓(β細胞)のインスリンを作る力が落ちてきてしまい、糖尿病が悪化してしまうリスクもあるようです。
糖尿病薬には、インスリン、メトホルミン、スルフォニルウレア薬などがあります。
抗うつ薬
抗うつ薬とは、抑うつ症状を緩和するために使用される薬物のことです。脳内でモノアミンと呼ばれる神経伝達物質を増やす働きがあり、吐き気や食欲不振などの副作用が起こりやすくなります。
抗うつ薬には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、トリサイクリック抗うつ薬などがあります。
制酸薬
制酸薬とは、胃酸の分泌を抑制して胃の酸性を緩和するために使用される薬物のことです。主成分には水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどがあり、胃液を中和して胃の粘膜を保護する役割があります。
制酸薬には、プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなどがあります。
抗凝固薬
抗凝固薬とは、血液の凝固を防ぐために使用される薬物のことです。主に心房細動の脳梗塞予防目的に使用します。
副作用として出血を生じることがありますが、脳出血などの重篤な場合を除き投与を継続して行うことが望ましいとされております。
抗凝固薬には、ワルファリンや抗トロンビン薬などがあります。
▼ 飲み薬に関する疑問
▼ まとめ
薬を服用する際は医師や薬剤師の指導に従い、正しい用法と用量を守り、副作用や相互作用についても理解しておくことが重要です。
また市販薬においても用法・用量は守るようにしましょう。効き目があまり感じられないときに服用量を自己判断で増やしたり、服用回数を増やしたりすることは、副作用が強く現れる原因にもなります。その際は薬剤師や医師に相談してアドバイスをもらうようにしましょう。