夏のレジャーといえば屋外でのバーベキューやピクニックが挙げられますが、この時期は気温と湿度の上昇に伴い、O-157(腸管出血性大腸菌)の感染リスクも高まります。全国各地で毎年報告される感染事例は、食品の安全と個人衛生の徹底を改めて思い起こさせます。特に今年は気候変動の影響で異常気象が頻発し、予想以上に感染症のリスクが高まると言われております。
ここでは、O-157の感染経路とその予防策について解説するとともに、食の安全について、どのように備え、どのように対処すべきかを説明しています。
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▼ O-157とは?
O-157は、腸管出血性大腸菌(EHEC)として知られる一群の大腸菌の中でも特に有名な株です。この菌は特定の毒素を産生する能力があり、人間がこれに感染すると重篤な健康問題を引き起こすことがあります。
O-157は高温多湿の夏場に多く発生しており、東京都感染症情報センターのグラフでも6月から急に増加していることがわかります。そして発生場所の8割は飲食店で発生していることも大きな特徴です。
▼ O-157の感染経路
一般的にO-157の感染経路は、食品を通じて感染することが多く、重症化すると生命を脅かす可能性があります。下記は主な感染経路になります。
食品からの感染
O-157は、食品のなかでも未加熱の肉製品や未洗浄の野菜、または果物からの感染が非常に多く、度々ニュースでも取り上げられております。肉製品は挽肉やレアステーキなどの生肉の部分が残っている状態のものは感染リスクが高く、野菜や果物に関しては、汚染された水で洗われることで感染するケースもあります。
水からの感染
汚染された飲用水やプールの水が感染源となることがあります。ただし、水道水中の残留塩素は、消毒効果を確実にするため0.1mg/リットル以上含まれることが水道法で定められており、この場合はO-157に感染することはありません。気をつけるべきは井戸水や雨水の汲み取りによるものです。
人からの感染
O-157は空気感染することはありませんが、感染者の便に含まれる細菌が手を介して他の人に伝播することには注意が必要です。特に衛生管理が不十分な環境ではこのリスクが高まります。
調理前後の手洗いが不十分な場合は、感染リスクが高まるため、飲食店で多く発生している原因のひとつとしても挙げられております。
▼ 主な症状とリスク
O-157の主な症状とリスクは下記の通りです。
主な症状
水様性下痢
最初は普通の下痢から始まることが多く、進行すると水様性下痢に変わることがあります。
血便
腸壁が細菌の毒素により傷つけられるため、症状が進むと下痢が血便へと変わります。
腹痛
強い腹痛が伴うことがあります。
嘔吐
一部の感染者は嘔吐することがあります。
発熱
発熱は全ての患者に見られるわけではありませんが、身体の働きから発症する場合もあります。
重大な合併症
溶血性尿毒症症候群(HUS) |
特に幼児や高齢者で見られる重大な合併症です。腎臓機能の障害や、急性腎不全、重度の貧血、血小板減少などを引き起こす可能性があります。 |
中枢神経系の合併症 |
ごく稀に発作や意識障害などの神経症状を引き起こすことがあります。 |
リスク因子
未加熱または生の食品の摂取 |
感染経路で述べた通り、適切に調理または洗浄されていない食品の摂取がリスクとなります。 |
衛生環境の不十分な場所 |
衛生管理が行き届かない食品製造工場やレストランなどはリスクが高まります。従業員数が多く手作業での製造をする工場や店舗は、衛生管理の徹底が最優先です。 |
個人の衛生管理の欠如 |
自身の基本的な衛生習慣(手洗いや消毒等)が守られていない場合はリスクが高まります。 |
▼ 予防方法
O-157感染症を予防するためには、特に食品の安全な取り扱いと個人の衛生習慣の徹底が重要です。
最も多く発生している食品からの感染予防としては、十分に加熱処理を行い、細菌を死滅させることが重要です。ご家庭でハンバーグを作る際は、中心部の温度が少なくとも74℃に達していることがポイントになります。使用した調理器具やカッティングボードは熱湯か消毒剤で洗浄しましょう。
また食前やトイレの後の手洗いは、石鹸と流水を使用し、20秒以上手をこすり合わせて手首まで洗うことが推奨されております。手の水分を拭き取る際は、水分が残らないように乾燥状態にすることがポイントです。
アルコール消毒は、手洗いと併せて行うとより効果的ですが、アルコール過敏症の人は使用を控えるようにしましょう。
▼ 正しい食品の取り扱い
食材や食品の扱いは面倒だと思う方もおりますが、O-157などの細菌感染を避けるためにも非常に重要です。下記は一般的な取り扱い方法になります。
1.清潔に保つ
食材や食品に触れる前の手洗いは重要ですが、他にも調理器具やキッチンまわりも洗浄して消毒することが大切です。
2.分離させる
生肉、魚、鶏肉を調理済みの食品や食べる準備ができている食品と分けるようにしましょう。使用する器具やカッティングボードも分けることが重要です。
また冷蔵庫内は、生肉を冷蔵庫の下部分に置くなど、汁が他の食品に滴り落ちないようにするのもポイントです。
3.調理
加熱する際は、中心部まで十分に加熱させるようにしましょう。食品の中心部の温度は、温度計を使用して調理温度を確認することがポイントです。
4.保存
調理済みの食品や残った食材は、冷めたら速やかに冷蔵庫へ移しましょう。長時間室温に放置すると、細菌が繁殖する原因となります。
安全な食品取り扱いは、日々の料理における小さな注意から大きな健康を守る第一歩です。面倒なことと思わず、感染リスクを下げるためにも徹底して行うようにしましょう。
▼ まとめ
暑さと湿気が増してくる時期は、健康リスクに注意する必要があります。O-157は高温多湿の時期に最も警戒すべき細菌のひとつです。感染した場合は重篤な症状を引き起こす可能性があるため、衛生管理は徹底して行うことが大切です。
もしO-157の症状を確認した場合は、速やかに医療機関を受診してください。一般的な感染症やその症状の管理は内科が最適です。小児の場合は小児科を受診するようにしましょう。