脱水症状は、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性がある健康リスクです。
人体の大部分は水で構成されており、水分は細胞の機能・栄養素の運搬・体温の調節・老廃物の排出など、重要な役割を果たしております。脱水状態になると、これらの機能がうまく働かなくなるため体調不調に陥りやすくなります。
ここでは脱水症状になりやすい人の特徴と初期兆候を早期に発見するためのポイントや、日常生活での自己チェック方法などを紹介しています。
※このページの記事は一部AIが自律的に生成した箇所が含まれております。
▼ 脱水症状とは?
脱水症状は、体内の水分が失われていくことで症状が現れます。夏場で気温が上昇する環境では、体温も同時に上昇します。体は体温を下げるために発汗しますが、体内から出ていく水分と塩分が補給できないと脱水症状になります。長時間のサウナでも同じことが言えます。
脱水症状になると血液の量が減り、血圧が低下します。そのため必要な栄養素が体に行き渡らなくなり、食欲不振や不要な老廃物を排泄する力が低下します。
また骨や筋肉から電解質が失われることで、足がつったり、しびれが起こることもあります。脱水症状後、放置してしまうのが熱中症や熱射病です。
脱水症状例
下記は水分損失率(対水分)と現れる脱水諸症状の関係を表しております。
水分損失率(対水分)と現れる脱水諸症状の関係
水分損失率 | 症状例 |
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1% | 大量の汗、喉の渇き |
2% | 強い乾き、めまい、吐き気、ぼんやりする、重苦しい、食欲減退、血液濃縮、尿量減少、血液濃度上昇 3%を超えると、汗が出なくなる |
4% | 全身脱力感、動きの鈍り、皮膚の紅潮化、いらいらする、疲労および嗜眠、感情鈍麻、吐き気、感情の不安定(精神不安定)、無関心 |
6% | 手足のふるえ、ふらつき、熱性抑鬱症、混迷、頭痛、熱性こんぱい、体温上昇、脈拍・呼吸の上昇 |
8% | 幻覚・呼吸困難、めまい、チアノーゼ、言語不明瞭、疲労困憊、精神錯乱 |
10~12% | 筋痙攣、ロンベルグ徴候(閉眼で平衡失調)、失神、舌の膨張、譫妄および興奮状態、不眠、循環不全、血液および血液減少、腎機能不全 |
15~17% | 皮膚がしなびてくる、飲み込み困難(嚥下不能)、目の前が暗くなる、目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚の感覚鈍化、舌がしびれる、眼瞼硬直 |
18% | 皮膚のひび割れ、尿生成の停止 |
20% | 生命の危機、死亡 |
必要水分量・蒸発水分量
必要水分量 = 体重(kg)×40
水分蒸発量 = 体重(kg)×15+200×(体温−36.8)
※成人が1日を過ごすのに必要な水分は約2.5リットルと言われております。
▼ 脱水症状になりやすい人の特徴
高齢者
特徴 | 年齢とともに体内の水分量が減少し、喉の渇きを感じにくくなるため、意識的に水分を摂取しないと脱水症状に陥りやすい。 |
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理由 | 加齢による体の変化と、腎機能の低下が影響します。 |
幼児・小児
特徴 | 体重に対する水分の割合が高く、水分の喪失が迅速に体に影響を及ぼします。 |
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理由 | 発汗量や尿量が多く、体内の水分バランスが崩れやすいため、こまめな水分補給が必要です。 |
慢性病持ちの方
特徴 | 糖尿病や腎臓病などの慢性疾患を持つ人は、体内の水分バランスが乱れやすく、脱水のリスクが高まります。 |
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理由 | 糖尿病では血糖値のコントロールが難しく、頻尿になりやすい。腎臓病では腎機能が低下しているため、水分の調整が難しくなります。 |
アスリートや屋外労働者
特徴 | 高温環境下での激しい運動や作業を行う人々は、発汗による水分の喪失が多く、脱水症状になりやすい。 |
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理由 | 運動や労働によって大量に汗をかくため、適切な水分補給が不可欠です。 |
アルコールやカフェインの大量摂取者
特徴 | アルコールやカフェインには利尿作用があり、体内の水分を失いやすくなります。 |
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理由 | これらの飲料を過剰に摂取すると、体内の水分が尿として排出されやすくなり、脱水症状を引き起こしやすくなります。 |
発熱や下痢・嘔吐を伴う病気の方
特徴 | 発熱、下痢、嘔吐などで体外に水分が多量に失われるため、脱水症状が起こりやすい。 |
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理由 | 病気によって体液が大量に失われるため、こまめな水分補給が必要です。 |
これらの特徴を持つ方は、特に高温環境下や体調不良時には注意が必要です。定期的な水分補給を心がけ、脱水症状の兆候を早期に発見することが重要です。
▼ 脱水症状の初期兆候・早期発見のポイント
脱水症状の初期兆候は、体が正常な機能を維持するために必要な水分が不足していることを示すサインです。これらの兆候を早期に発見し、適切に対応することが重要です。
脱水症状は、日常と様子が違うと感じた瞬間に対応すれば、脱水症状の進行を防ぐことができます。日常的に十分な水分を摂取し、脱水のリスクを最小限に抑えることが大切です。
脱水症状の初期兆候とそれぞれの状況については、以下の通りです。
1.喉の渇き | |
状況喉の渇きは、最も一般的な初期兆候です。体が水分を必要としていることを知らせる自然なサインです。 | |
対策喉が渇いたと感じたら、すぐに水分を補給しましょう。 |
2.口の乾燥 | |
状況唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥していると感じます。特に長時間水分を摂取していない場合に顕著です。 | |
対策水を飲むことで唾液の分泌を促し、口の乾燥を和らげます。 |
3.尿の色の変化 | |
状況脱水症状が進むと、尿の色が濃くなり、通常の淡黄色から暗黄色や茶色に変わります。これは体が水分を保持しようとしているためです。 | |
対策尿の色を観察し、濃い色の尿が出た場合はすぐに水分を補給してください。 |
4.尿量の減少 | |
状況水分不足により尿の生成量が減少します。1日に排尿回数が減ったり、少量の尿しか出ない場合は脱水の可能性があります。 | |
対策定期的に水分を摂取し、尿量を正常に保ちましょう。 |
5.倦怠感や疲労感 | |
状況水分不足は血液の循環を悪化させ、体内の栄養素や酸素の運搬が効率的に行われなくなります。その結果、倦怠感や疲労感を感じることがあります。 | |
対策十分な水分を摂取し、体のエネルギーレベルを維持しましょう。 |
6.めまいや立ちくらみ | |
状況脱水によって血液量が減少し、血圧が低下することがあります。そのため、急に立ち上がるとめまいや立ちくらみを感じることがあります。 | |
対策ゆっくりと動き、定期的に水分を補給することで症状を防ぎます。 |
7.頭痛 | |
状況脱水は頭痛の原因となることがあります。特に、水分不足が続くと脳に十分な酸素が供給されず、頭痛が発生します。 | |
対策水分補給を行い、頭痛が続く場合は医療機関を受診してください。 |
8.皮膚の状態 | |
状況皮膚の弾力性が低下し、つまんでもすぐに元に戻らない場合は脱水の兆候です。この現象は「テントサイン」とも呼ばれます。 | |
対策適切な水分補給を行い、肌の状態を確認しましょう。 |
9.集中力の低下 | |
状況水分不足は脳の機能にも影響を与えるため、集中力が低下することがあります。勉強に集中できない場合や、作業中にミスが増えたら注意しましょう。 | |
対策集中力が持続しないと感じたら、水分補給を試みましょう。 |
10.便秘 | |
状況水分不足は消化器系にも影響を与え、便秘を引き起こすことがあります。通常の排便回数が減ったり、便が硬く排便時に痛みを伴ったりしたときは注意しましょう。 | |
対策適度な水分補給で腸内の活動を助けましょう。 |
▼ 自己チェック方法
脱水症状は高齢者に多く見られますが、健康な人にも突然起こります。大量の発汗や胃腸炎などで急速に体液が失われると脱水症状になる可能性が高まります。
以下は、簡単に行える脱水症状の自己チェック方法です。ひとつでも当てはまる項目がある方は、経口補水液などで水分を補給するようにしましょう。
- 舌の表面に光沢がなく、赤黒く乾いている
- 排尿の色がいつもより濃い(起床時を除く)
- 手の甲をつまんで皮膚の戻りが3秒以上かかる
- 短期間で体重が大幅に減った
- 目が乾燥しており、窪みがいつもより深い
- 十分睡眠を取っているのに集中力が続かず疲労感もある
- 心拍数や呼吸がいつもより速くなっている
- 便秘が続いている
- 脇の下の湿り気がなくカサカサしている
▼ 脱水症状の予防方法
脱水症状を予防するためには、日常生活での水分補給と適切な習慣が重要です。1日に少なくとも約2リットルの水を目安に摂取する習慣をつけましょう。
高温環境や激しい運動を行う際には、電解質を含むスポーツドリンクを活用し、汗で失われたナトリウムやカリウムなどを補うことが効果的です。
暑い夏場は食欲が落ちやすいため、水分を多く含む果物や野菜(スイカ、キュウリ、オレンジなど)を積極的に摂取します。適度な塩分摂取も必要ですが、過剰摂取は逆効果になるため、注意しましょう。
高温多湿な環境では涼しい場所で過ごし、通気性の良い軽い服を着用することで体温調節がしやすくなります。特に暑い季節や激しい運動を行う際には、意識的に水分補給(経口補水液がおすすめ)を行うことが重要です。
▼ まとめ
脱水症状は多くの人が経験する可能性があります。沖縄県では1890年から統計を取り始めて以降、初めて36度以上を計測するほか、全国でも熱中症警戒アラートが広域的に出ております。
脱水症状を早期に発見するためには、日常的に自己チェックすることが重要です。適切な水分補給を習慣化し、脱水症状を未然に防ぐことが健康維持の鍵となります。