▼ RSウイルス感染症とは?
乳児期の発症が多く、大抵 2歳までに全員が、1度は感染するといわれています。
保育所や幼稚園、高齢者のいる長期療養施設などで集団感染する可能性があります。
パラミクソウイルス科に属するRNAウイルスの一種です。
免疫不全の成人や乳幼児には、病気の進行が急激に変化し、気管支炎・肺炎などの原因になることもあります。
日本では主に、冬期である11月から1月にかけて流行しております。
▼ RSウイルス感染症の特徴
RSウイルス感染症は、毎年秋頃から見られ、約4~5日の潜伏期間があり、冬にかけて増加していきます。
初感染の乳幼児は上気道症状(鼻汁や咳など)から始まり、発熱(約38~39℃)の症状が見られることがあります。
そのうち25~40%の乳幼児には、気管支炎や肺炎となる場合があります。
6ヵ月未満の乳児や、心肺に基礎疾患のある小児、早産児が感染すると、呼吸困難などの重篤な呼吸器疾患を引き起こす場合があります。
乳児の場合は、細気管支炎による喘鳴(呼気性喘鳴)が見られることも特徴的です。
新生児期、あるいは生後2~3ヵ月未満の乳児は、無呼吸発作の症状となることがあります。
幼児が再感染する場合には、細気管支炎や肺炎などの症状は減りますが、「かぜ」のような呼吸器疾患が増え、中耳炎を合併することもあります。
▼ RSウイルス感染症を予防するには?
主な感染経路は、感染者の咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」と、ウイルスが付着したドアノブや硬貨などに触れて感染する「接触感染」があります。
付着したウイルスの感染力は強く、約30分間もの感染保持性があるため、かなり感染力が強いウイルスと言えます。
ウイルスの侵入を防ぐ最も重要な予防法は、
手洗いと手指の消毒
です。
最近のハンドソープには、殺菌作用のあるものが多いですが、昔ながらの石鹸には、汚れを落とすことが目的のため、殺菌効果がないものがあります。
この場合は、流水で手を洗い流した後に、消毒用のアルコールを吹きかけ、手から手首全体に馴染ませるようにしましょう。
さらに手すりやドアノブは、皆が触れるものですので、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムでこまめに拭き掃除をするようにしましょう。
また外出をする場合には、
マスクの着用
が感染予防になります。
感染が予防できるからといって、花粉症用のマスクでは効果がありません。ウイルスは花粉よりも小さいことを認識しておきましょう。
このように意識し、予防をしていても、ウイルス予防は100%ではありません。
咳込むような症状が見られたり、呼吸が苦しそうな場合には、速やかにお医者さんに相談するようにしましょう。